広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「……あ、あの、ありがとうございました」
女の子たちが、乱れたえりを整えている広瀬くんに話しかける。
その顔にはかすかだけれど笑顔が戻っていた。
「いや。でしゃばったことをしたね。……大丈夫?」
広瀬くんはそう言って彼女たちに微笑みかけた。
それまでの真っ直ぐだけど少し厳しい表情とは違った柔らかい笑顔。
女の子たちの頬がポッと染まるのが、私からもわかった。
「……かっこいいなー、広瀬くん」
思わずそんな言葉が口をつく。
弥生がぷっと吹き出した。
「やっぱり好きなんじゃないの、和花」
「や、だ、だから、そうじゃないって!……今みたいなとき、私は何もできないから……。だから、ああして助けられる広瀬くんはすごいなーかっこいいなーって」
「たしかにああして出ていけるのはすごいと思うけど……。広瀬くんっていつもあんな感じだから、あたしはいちいちすごいと思わなくなった」
言いながら、弥生は食事を再開する。
私も止めていた箸を動かした。
食堂はすっかりいつもの雰囲気だ。
女の子たちが、乱れたえりを整えている広瀬くんに話しかける。
その顔にはかすかだけれど笑顔が戻っていた。
「いや。でしゃばったことをしたね。……大丈夫?」
広瀬くんはそう言って彼女たちに微笑みかけた。
それまでの真っ直ぐだけど少し厳しい表情とは違った柔らかい笑顔。
女の子たちの頬がポッと染まるのが、私からもわかった。
「……かっこいいなー、広瀬くん」
思わずそんな言葉が口をつく。
弥生がぷっと吹き出した。
「やっぱり好きなんじゃないの、和花」
「や、だ、だから、そうじゃないって!……今みたいなとき、私は何もできないから……。だから、ああして助けられる広瀬くんはすごいなーかっこいいなーって」
「たしかにああして出ていけるのはすごいと思うけど……。広瀬くんっていつもあんな感じだから、あたしはいちいちすごいと思わなくなった」
言いながら、弥生は食事を再開する。
私も止めていた箸を動かした。
食堂はすっかりいつもの雰囲気だ。