広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「……きっと広瀬くんって根っからの委員長タイプなんだろうね」

弥生がしみじみ……と言った感じでつぶやく。

「いつもああいうことしてるもんね。先生でも見て見ぬふりするようなことでも注意して、困ってる人手伝ったりしてさ。……おかげでうちのクラスはよくまとまってるとは思うけどね」

「うんうん。広瀬くんがクラス委員で良かったよねー。すごく優しいしー。

……ん、今日のポテトサラダ、リンゴが入っててしゃりしゃり美味しいー!」

卵焼き……ポテトサラダ……。それと、なんといってもメインのハンバーグ。

弥生と話しながら、残りのお弁当を次々口に運んでいく。

「……あー、ごちそうさまでした。美味しかったー」

「いつもながらすごいね、和花。あたしの倍は食べてるのに何であたしより早いの」

「うーん……なんでかな?ちゃんと味わって食べているんだけどな」

「それは見ればわかるよ。すっごいニコニコして食べているもんね」

「だって美味しいんだもん」

「和花ってば……。ちょっとは恋バナでもあるのかと思ったのに、花より団子だね」

小さく肩をすくめ、クスッと笑う弥生。

もともと大人っぽい容姿の弥生だけど、そうするとますます大人びて……きれいに見える。
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