私の恋のヒーローは

絆「悲しい時は泣くものだろ?」

七海「でも泣いたって絆には伝わらない。
私は絆に幸せになって欲しい。
小説の中だけじゃなくて
現実で恋をして欲しい。
お願いだから、降谷くんをなくさないで。」

そして、今度は涙を流した。
七海の涙は
胸の中がじんわりと温かくなった。

未だに私には分からない。
誰かを好きになるという気持ちが。

でも、七海の言う通り
降谷 恭斗の事が好きじゃなくても
いいのなら、私はあの男と
一緒にいたいと思った。

降谷 恭斗は教えてくれる。
友達、家族、生きる意味。
私は知らず知らずの内に
あの男からそれらを教わっていた。

絆「もう泣くな。七海。
降谷 恭斗と話をしてくる。」
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