私の恋のヒーローは

不器用だけど、この男は
とてつもなく優しい。

素直にそう思えるのは
私が降谷 恭斗の事を
好きになったからなのかもしれない。

恭斗「随分と安くついたな。」

絆「金額じゃないだろ。」

恭斗「え?」

絆「プレゼントは金額じゃない。
気持ちの大きさの方が大切だ。
祝いたい。そう思う気持ちこそが
プレゼントだ。相手の気持ちが
大きければ大きいほど嬉しいものだ。」

恭斗「恋愛経験もないくせに偉そうだな。」

絆「悪いが、お前よりは
私の方が恋愛経験豊富だ。
まあ、現実世界ではないけどな。」

レジでお金を払った降谷 恭斗は
私に紙袋を差し出す。

絆「ありがとう、恭斗。」

恭斗「誕生日...おめでとう。」

いつもぎこちない私たちが
初めて恋人らしかった。
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