結婚行進曲
●泣ける展開
ぐぅぅ…
…………お腹すいた。
そういえば家飛び出したの昼ごはん前だったような。
というわけで
逃亡先はアンソルヴァーナ国城下町に決定である。
城下町なら人でごった返しているので特定は至難の技になるはずだし灯台下暗しという言葉があるように意外とバレないモンである。…とゆーことにしておくっ!
しかしそう上手くいかないのが人生。
こういう時に限って首を突っ込まざるをえないような騒ぎが起き、結果バレるというベタな展開になるものだ。あたしのありったけの財産賭けてもいい。
「なんだとこのクソババァ―――――ッ!!」
案の定。
城下町に着くや否やまるで狙ってるかの如くあたしの視界の範囲内でいかにもチンピラ風の男のどなり声が響く。
しかもこれまた絡まれているのはセリフ通りの背中の曲がったヨボヨボのばーさん。
ばーさんとチンピラの半径何メートルか周りだけキレーに避けられ円形の人垣ができ始めている。
誰も止めようとする気配すらなくただただオロオロするだけの情けない連中ばかりである
。
きっとフィルもこの騒ぎが見える範囲にいることであろう。
出て行けばバレそーなこと確実である。
…もう泣きたい…。
やっぱり父の血なのか
こーいうのは放っておけないんだよなぁ…。