君が可愛すぎるから
そんな素敵な人をバッサリ可愛くないと言ってしまうんだ。
凪くんの理想は相当高いのか……と思うと、
再びガックシ落ち込んでしまう。
わたしはお世辞にも可愛いという言葉が似合う容姿ではない。
胸につくくらいに伸ばしたミルクティーベージュの髪。
顔が少し丸くて、童顔だってよく言われる。
背も周りの子より低くて、可愛い要素が全然ない。
勉強だって運動だってそこまで得意じゃない。
自分の凡人さにため息が漏れそうになっていると、電車はわたしたちが降りる駅に到着してした。
電車を降りたら凪くんはそのまま木下くんと登校するので、わたしは凪くんたちから離れて一人で学校に向かって歩いた。
学校についたわたしは二年生のフロアがある二階まで階段を上り、自分の教室に入る。
ちなみにわたしの席は窓側のいちばん後ろ。
今みたいに暑い時期は、風通しがいい窓側の席がいちばんだ。