やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ

「だからさ、あれだけ言われて何も思わないわけ?もしかして……そういう人?言われ慣れてる人?」

男子高生は再度質問するが、世の中には色々な人間がいるのだと思うと少し引いた目で朋世を見た。
彼女は即答で「違うし!」と返す。
そんな特殊な扉を開けるほど恋多き人生を送ってはいない。

傷付いた心がヒリヒリする。

「それなら文句の一つも言ってやればいいだろ。男相手ならビンタくらいかましてやれよ。本当に根性ねぇな」

「す、すみません……」

全部彼の言う通りだ。
根性無しもいいところだと朋世自身も呆れてしまう。
そして朋世はしばらく黙ってしまうが、再びハッとして男の子の顔を見た。

「ていうか、キミ誰!?」

さっきから何気なく会話をしている目の前の彼は朋世も知らない男の子だった。

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