やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
「……クリスマスイブに会えて嬉しかったのに。風見先輩の事好きだったのに……。何で若奈なの……?若奈もなんで先輩なのよ……。
アタシが何したの……?アタシが悪いの……?酷いよ……酷い……」
悲しい、辛い、悔しい、ムカつく――…
色んな感情が朋世の心に渦巻いてぐちゃぐちゃにかき混ぜてしまう。
ダムが決壊したみたいに涙が溢れ出して、声を上げて泣いた。
顔を上げると落ちてくる粉雪が朋世の頬や額に触れては溶けていく。
心も身体もすっかり冷え切ってしまった。
挙句見ず知らずの人に愚痴まで聞かせて、そんな自分が惨めで情けなくてたまらない。
そばで見ていた男子高生は朋世の身体をグッと引き寄せて抱きしめた。
「……いいよ。もっと言えよ」
そうささやいて、彼女の頭をゆっくり撫でる。
男子高生は幼い子どもを無条件で甘やかせるように優しく撫で続けた。