やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
“泣き虫”“弱虫”と言われてしまうから泣くこともできなくて、朋世はギュッと下唇を噛みしめて涙を堪えていた。
そんな朋世の様子を要は目の前で見ている。
彼は朋世のお気に入りの髪飾りにそっと触れた。
『トモ、これを俺に貸して?必ず返しに来るから』
『でも……』
要の要望に朋世は迷う。
この髪飾りはお母さんに買ってもらったお気に入りなのだ。
『ダメ?』
要がコクンと小首を傾げる。
朋世の心はキュンと跳ねあがった。
『……いいよ』
朋世は頷いて、頭に付けていた髪飾りを一つ差し出した。
『これで俺とトモはまた会える!約束の証だ』
この日、二つで一つの髪飾りを朋世と要は分け合って別れた。
再び会える日を信じて――…