やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
STORY1. 恋が終わる
山中 朋世十七歳。
人生で初めて彼氏がいるクリスマスを過ごす。
朋世の彼氏は一つ上の先輩でサッカー部エースの風見先輩。
夏休みが始まる前日、付き合えることになった時は本当に夢のようで信じられなかった。
クラスメートで友だちの若奈に何度も何度も頬をつねってもらったことが昨日のことのよう。
そしてクリスマスイブ、朋世のスマホに『会いたい』と風見から連絡が入った。
夕方六時過ぎ、いつも待ち合わせにしている公園に朋世は向かう。
愛しい恋人はまだ来ていなかった。
冬の空は真っ暗で空気が澄んでいる。
ひとりでブランコに揺られながら恋人との甘いクリスマスを想像した。