やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
ベッドの上で悶々と考えていると、傍に置いてあるスマホの画面が光った。
『今週の土曜日、水族館に行かない?隣町の男子高生とダブルデート♡二人で春らしい恋をしようよぉ』
あいからのお誘いメッセージだった。
とてもそんな気にはなれない。
断りの返事を出そうとした時、再び彼女からメッセージが届く。
『言っておくけど“気分じゃない”とか無しだから。クレープの埋め合わせもまだなんだからね』
全てお見通しか……と朋世は苦笑い。
メッセージは続く。
『エリート校生とのデートなんて滅多にないんだから付き合ってよぉ……。朋チャン、お願い♡』
あいが“朋チャン”と呼ぶ時は絶対に叶えたい希望がある時だ。
こうなってしまうと、朋世に拒否権は無い。
とても乗り気ではないが、朋世は『了解』と一言だけ返事した。