やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
「確かに。まぁ、違う“トモヨ”だったら即帰るけどな」
「ほんとヒドイ……」
「トモ以外に興味が無いだけ」
要ははっきり言葉にして自身の腕時計で時間を確認する。
そんな甘い台詞を男の子に言われたのは初めてで、朋世の心臓はドキドキと鳴りっぱなし。
まだ春先だというのに体温が上がって頬が紅潮し始める。
きっとからかわれてる――…
そう思うと下手に言い返すこともできなくて、無言のままあいと要の友人が来るのを待った。
それから数分後、午前十時をほんの少し過ぎた頃に「お待たせ!」とあいが手を振って合流する。要の友人もあいと一緒に現れた。
「偶然、三宅君とそこで会ったから一緒に来ちゃった。あっ、アタシは内野 あい。こっちは友だちの山中 朋世ね」
合流早々、あいが簡単な紹介をする。
すると、今度は三宅が「三宅 光太です。こっちは友だちの菅田 要。よろしくな」と挨拶をした。