やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
四人が一通り館内を巡り終えた時、あいがある看板を目にする。
「ねぇ、アシカショーやってるよ!時間もちょうどいいしみんなで観に行こうよ!」
動物好きな三宅は「いいね」と彼女の提案に賛成する。
朋世もとくに行きたい場所もなかったため首を縦に振って賛成したが、要だけ「俺はいいよ」と辞退した。
「アシカとか苦手なんだ。そのへんブラブラしてるから行って来いよ」
要の言葉にあいは「そう……?」と首を傾げて、隣にいた三宅と顔を見合わせた。
「じゃあ……三人で行こうか」
三宅が言って、あいと朋世も会場へ向かおうとする。
しかし、要は朋世の腕を掴んで「お前はこっち」と自らの方へ引き寄せた。
「えっ?アタシもアシカショーに……」
水族館の目玉の一つでもあるアシカショーを他の二人と一緒に観に行きたい朋世だが、要に「お前は俺と来るんだ」と言い切られてようやく歩みを止める。