やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ

あいは朋世がついて来ていないことに気付いて振り返る。
しかし、要がニッコリ笑って朋世の肩を抱くことで納得したように再びアシカショーへと向かって歩き出した。
三宅とあいの姿がどんどんと小さくなっていく。

「どうしてアタシが要君のアシカ嫌いに付き合わなきゃいけないのさ……」

朋世は不満タラタラに言う。
アシカショーはこの水族館の名物と言っても過言ではないイベントだった。

「おいおい、俺がアシカ嫌いだって本気で思ってるのか?」
「違うの……?」
「猫や犬じゃないんだぞ。嫌いになるほど気軽に触れ合える生き物じゃねーよ、アレ」
「確かに……。じゃあ、どうして言っちゃダメなのよ」

朋世の不満は募るばかり。
楽しそうだっただけに表情をさらに曇らせた。
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