やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
「どうして若奈がここに……」
朋世はさらに戸惑う。
これは朋世と風見の問題のはず。
若奈には関係ない。
「俺、若奈と付き合うことにしたから」
「ごめん、朋世ちゃん……。いけないって思ってたんだけど……気持ちが抑えられなくて。私の気持ちが弱いから……」
若奈は俯き加減で申し訳なさそうにしている。
まるで悲劇のヒロイン。
溢れ出す恋心を抑えられずに友だちの彼氏を好きになってしまった可哀想な女の子。
「…………」
こんな時、朋世はどうしていいのかまるで分からない。
風見は朋世にとって初めての彼氏なのだから。
怒ればいいのか泣いたらいいのか何が正解かまったく見つけられない。
「ホント、ごめん……ごめん……」
朋世が言葉を失っていると、急に若奈が泣き出してしまった。