やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ
惨めで寒いだけのクリスマスになった。
朋世以外誰もいない夜の公園に再び靴音がなる。
一歩一歩ゆっくりとした足取りで朋世に近付いた。
隣町にある有名進学校の学ランを着た男の子だ。
彼は朋世の前までくると足を止めた。
「あんなに好き勝手言われて何も思わないのか?」
「それは……」
男子高生の問いに朋世は口籠ってしまう。
しかし、よく考えてみれば目の前の彼に失恋の一部始終を見られてしまっていることに朋世は気付いた。
「み、見たの。あれ、全部見たの……?」
「“朋世、俺と別れて欲しい”あたりからな」
「ほぼ最初からじゃない……」
朋世は恥ずかしさで頭が噴火してしまいそうになる。
この寒い季節に顔が火照って湯気があがりそう。