仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「瀬名、住所!」
田中が声を掛けると、瀬名はスマホを取り出した。
画面をタッチすると、
「ここぉ〜」
と俺に見せた。
ぷっ
住所どころか、電話番号も誕生日も表示されてるぞ?
こいつ、女としての自覚あるのか?
隙だらけだな。
俺は田中の反対側から瀬名を支えて駐車場へと降りていく。
「田中も乗ってくか?」
と俺は声を掛けるが、田中は、
「俺は反対方向なので、電車で帰ります。
………
………
こんな事を確認するのは、大変失礼
なんですが………
………
信用して大丈夫なんですよね!?」
と正面から見据えてきた。
ま、彼氏なら当然する心配だな。
「ふっ
こんな酔っ払いをどうこうする趣味はない。
そんなに心配しなくても、部下の想い人を
手篭めにはしないから、安心して帰れ。」
「いや、その、俺たちはただの同期で、
そういうのでは…」
は?
違うのか?
「ただの同期がわざわざ反対方向の家まで
タクシーで送ろうとしてたのか?
親切な事だな。
まあ、いい。お疲れ。」
そう言い捨てて俺は運転席に乗り込んだ。
ナビに瀬名の住所を入力して車を出す。
隣で瀬名はあっという間に寝息をたて始める。
まったく…
こいつは、自分が女だって自覚はあるのか?
これじゃ、いつ襲われても文句を言えないだろ。
田中が念押しするはずだ。
程なく瀬名のマンションに着き、俺は瀬名を起こす。
「おい、瀬名、着いたぞ。起きろ!」
「ん… 」
何度起こしても、瀬名は全く起きない。
…ったく。
俺は諦めて、瀬名を抱き上げて部屋へ連れて行く。
玄関先に一旦瀬名を座らせ、瀬名のバッグの中を漁る。
女性の持ち物を勝手に開けちゃいけないのは分かってるけど、鍵がなければ話にならない。
幸い、鍵はすぐに見つかった。
俺は鍵を開け、瀬名に肩を貸して引きずるように部屋に入れる。
中に入るのはさすがにまずいとは思うが、玄関に放置して帰るのも躊躇われる。
ま、ここまで来たら、部屋の中も外も大して変わらないか。
俺は瀬名の靴を脱がせて、部屋に入り、ベッドに寝かせた…はずだった。
なのに、瀬名は俺のワイシャツの背中側のウエスト付近を掴んで言った。
「あれぇ〜? ぶちょお?
全然飲んでませんねぇ。
一緒に飲みましょ!」
田中が声を掛けると、瀬名はスマホを取り出した。
画面をタッチすると、
「ここぉ〜」
と俺に見せた。
ぷっ
住所どころか、電話番号も誕生日も表示されてるぞ?
こいつ、女としての自覚あるのか?
隙だらけだな。
俺は田中の反対側から瀬名を支えて駐車場へと降りていく。
「田中も乗ってくか?」
と俺は声を掛けるが、田中は、
「俺は反対方向なので、電車で帰ります。
………
………
こんな事を確認するのは、大変失礼
なんですが………
………
信用して大丈夫なんですよね!?」
と正面から見据えてきた。
ま、彼氏なら当然する心配だな。
「ふっ
こんな酔っ払いをどうこうする趣味はない。
そんなに心配しなくても、部下の想い人を
手篭めにはしないから、安心して帰れ。」
「いや、その、俺たちはただの同期で、
そういうのでは…」
は?
違うのか?
「ただの同期がわざわざ反対方向の家まで
タクシーで送ろうとしてたのか?
親切な事だな。
まあ、いい。お疲れ。」
そう言い捨てて俺は運転席に乗り込んだ。
ナビに瀬名の住所を入力して車を出す。
隣で瀬名はあっという間に寝息をたて始める。
まったく…
こいつは、自分が女だって自覚はあるのか?
これじゃ、いつ襲われても文句を言えないだろ。
田中が念押しするはずだ。
程なく瀬名のマンションに着き、俺は瀬名を起こす。
「おい、瀬名、着いたぞ。起きろ!」
「ん… 」
何度起こしても、瀬名は全く起きない。
…ったく。
俺は諦めて、瀬名を抱き上げて部屋へ連れて行く。
玄関先に一旦瀬名を座らせ、瀬名のバッグの中を漁る。
女性の持ち物を勝手に開けちゃいけないのは分かってるけど、鍵がなければ話にならない。
幸い、鍵はすぐに見つかった。
俺は鍵を開け、瀬名に肩を貸して引きずるように部屋に入れる。
中に入るのはさすがにまずいとは思うが、玄関に放置して帰るのも躊躇われる。
ま、ここまで来たら、部屋の中も外も大して変わらないか。
俺は瀬名の靴を脱がせて、部屋に入り、ベッドに寝かせた…はずだった。
なのに、瀬名は俺のワイシャツの背中側のウエスト付近を掴んで言った。
「あれぇ〜? ぶちょお?
全然飲んでませんねぇ。
一緒に飲みましょ!」