仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「………………暑い〜!!」

暁里はそう叫んで、起き上がった。

「部長!
布団が取り込んだばかりで暑すぎます!」

「くくっ
暁里、この雰囲気でそれはないだろう?
呼び方も、部長に戻ってるし。」

「だって、寝てみてくださいよ!」

と暁里は俺の肩をとんっと押してベッドに寝かせた。

「くくっ
ほんとだ。
めっちゃ暑いな。」

俺は肩を震わせて笑いながら、起き上がった。

「よし、俺ん家に行こう!」

「え?」

「さ、暁里、行くぞ。
着替え、用意して。」

「え?」

「なんなら、俺が用意してやってもいいけど?」

「!!
ダメです!」

俺に気圧された暁里は、言われるままに、着替えを用意する。

俺は、立ち上がって、暁里の手を取り、ポールハンガーに掛けてあったバッグと暁里の手にある着替えの入ったトートバッグを持って歩き出した。

「え? あの…」

戸惑いながらも暁里は俺についてくる。
靴を履き、玄関を出ると、暁里にバッグを渡す。

「ほら、鍵、かけて。」

暁里は言われるまま、鍵をかけ、そのまま車に乗り、俺の家まで来た。

おいおい、流されすぎだろ。
そんな素直なところもかわいいんだけど。

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