仮想現実の世界から理想の女が現れた時
2人でまったりとお茶を飲みながら、夏の午後のひとときを過ごす。

暁里と出会って気づいたこと。

暁里は姿勢がいい。

座っていても背筋がぴんと伸びている。

これは、ちょこさんとのやりとりだけでは分からなかった発見だ。

暁里が飲み終えたカップを洗っている。

俺は待ちきれなくて、後ろから暁里を抱きしめた。

「悠貴さん、これじゃ、洗えませんよ。
離してください。」

暁里はそう言うが、

「やだ。
昨日1日、暁里が田中といる事を我慢したん
だから、これくらいのご褒美はもらっても
いいだろ。」

と俺は耳元で囁く。

「え?」

「仕事とはいえ、暁里に惚れてるやつと2人で
外に出すんだぞ。
俺がどんな気持ちだったか、考えてみろ。」

思い出すだけで、胸が締め付けられるようだ。

「もしかして、心配してました?」

「もしかしなくても、心配するさ。」

当たり前だろ。

「ふふ
何もありませんよ。
田中君には、ちゃんと断ってきました。
もういい同期でいい友人ですよ。
ご心配をおかけして、すみませんでした。」

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