仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「瀬名、行くぞ。」

移動中は、取り立てて仕事の話はせず、いつも通りの雑談に終始する。

この期に及んで、あれこれ言ったところで緊張が増すだけで、いいことなんて何もない。

現地に5分前に着き、コンビニで少し時間を潰す。


約束の10時になり、受付で挨拶をし、12階に案内される。

「こんにちは。
ヒロセ事務機器の瀬名です。
今日は、お時間をとってくださり、ありがとう
ございます。」

と暁里は名刺を出して挨拶をする。

「こちらは、私の指導係の佐久間です。
私がまだ新人なので、同席させてください。」

「佐久間です。
よろしくお願いします。」

俺も肩書きのない名刺を取り出し、挨拶をする。

「システム部長の飯田です。
どうぞ、おかけください。」

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