仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は帰宅後、SNSを開く。

疲れた転勤初日、ちょこさんに癒されたかった。


*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
7月2日(月)

道路脇のコンクリートの隙間から雄々しく美しく咲く一輪の花を見つけました。

私もこんな風に自立して生きていきたいです。

*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*

コンクリートの隙間から伸びた可愛らしい黄色い花の写真が添えられている。

くくっ
ちょこさんらしい。

道端の花に目を留め、こんな風に前向きになれるなんて。

俺は、コメントを入れる。

*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
いつもがんばってるちょこさんのような花ですね。
俺も元気をもらえました。
今日から新生活ですが、がんばれそうです。
*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*

俺はそのままスマホを放置して風呂に入る。

入りながら、ふと思う。

瀬名を営業にしたらどうだろう?

コミュニケーション能力は高いと思う。

しかも、商品知識は十分ある。

あとは、ほんの少しのテクニックを身につけるだけで、無敵の営業に育つ気がする。

問題はSE不足か…

外注に丸投げするにも、外注先が無限にあるわけじゃない。

だけど、瀬名をこのまま眠らせておくのはもったいない気がする。

俺はそんな事を考えながら、風呂を上がり眠りについた。

< 15 / 227 >

この作品をシェア

pagetop