仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「ありがとうございます。
喜んで、佐久間と共に接待させていただき
ますね。」

暁里は事も無げにさらりとかわす。

「ははっ
かわすのも上手いんですね。
私は、瀬名さんと2人で食事に行きたいの
ですが。」

墨田社長は笑顔で、飯田部長や俺の存在を無視して誘い続ける。

「それは残念です。
私には、とってもヤキモチ妬きな恋人が
いるので、例えお客様でも2人で食事には
行けないんですよ。
墨田社長には、ヤキモチを妬かれるような
奥様や恋人はいらっしゃらないんですか?」

暁里は堂々と正面から断った。

なんだ? このくそ度胸!?
俺だって、正面きって、こんな断り方した事ないぞ!?

「ははっ
そうですか。
瀬名さんは、はっきりしてて気持ちがいい
ですね。」

と社長はしばらく考えて、

「 いいでしょう。
このシステム、瀬名さんにお任せします。
私はこの後、予定があるので、契約手続きは
飯田とお願いします。
その代わり、ランチぐらいはご一緒して
いただけますよね。」

と墨田社長は、契約の意思を示した。

「ありがとうございます!
もちろん、佐久間と共にお付き合いさせて
いただきます!
ただ、契約書類が」

と言いかけたところで、俺は割って入った。

「瀬名、大丈夫だ。」

「え?」

「何でもありません。
ご契約ありがとうございます。
午後から、飯田部長に手続きをお願いします。」

と社長に言った。

飯田部長の午後の予定を確認して、俺たちはランチをしに墨田社長と社外に出た。
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