仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺がそのままくちづけようとすると、焦った暁里が腕を突っ張って、俺を止める。

「お願い。歯磨きさせて。」

「くくっ
却下! 2人とも同じ匂いなんだから、
気にしなくて大丈夫だよ。
それとも、暁里はにんにく臭い俺は嫌い?」

「え、そうじゃないけど… 」

暁里の目が泳ぐ。

「じゃ、大丈夫。
俺はどんな暁里も好きだよ。」

俺は一瞬、暁里の力が緩んだ隙に、唇を重ねる。

暁里は再び腕を突っ張ろうとしたが、俺の舌が暁里の中へ分け入ると、諦めたように力を抜く。

俺が暁里を満足いくまで味わっていると、暁里の腕が俺のシャツを掴み、暁里の舌が意思を持って動き始めた。

暁里を解放した俺は、そのまま暁里を抱き上げる。

「きゃっ!」

暁里の小さな悲鳴は無視をして、そのまま寝室へと運ぶ。

暁里の小さな抵抗も、すぐに甘い声へと変貌していった。


俺は、なんでこんなに暁里が好きなんだろう。

出会って間もないのに、酒に飲まれる暁里も、にんにく臭い暁里も、どんな暁里も愛しくて仕方ない。

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