仮想現実の世界から理想の女が現れた時

この間、暁里のSNSを見てて気づいた。

来月の20日が誕生日だと、プロフィール欄に記載されている。

誕生日プレゼントとして、最初に思い浮かんだのは、指輪。

暁里は、ネイルはするけど、指輪は全くしていない。

営業になって、これからもたくさんの男性と知り合い、毎日のように接触することになる。

当然、暁里に色目を使う奴が出てくるに決まっているわけで…

俺としては、それは全くおもしろくなく…


なにせ、今、俺も同行してるにも拘らず、暁里に粉をかけてくる奴は後を絶たない。

俺と一緒に訪問してるのに、暁里の方がもらう名刺の数が多いということに、ついこの間、気がついた。

暁里は、訪問先から戻ると、まず名刺の整理をする。

情報をデータで保管するため、スマホで写真を撮り、アプリで仕分けをしているのだが、暁里はなぜか同じ名刺を2枚持っている。

見ると、片面印刷のはずの名刺の裏側も写真に撮っている。