仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は、その後、何度かこの会社に通い、指輪を仕上げてもらった。

出来上がったのは、暁里の誕生日まで1週間を切った金曜日。

大切なそれを受け取り、鞄の奥にしまう。

週末の今日、暁里とともに俺の部屋に帰宅するから、見つからないようにしなくてはいけない。



俺は大切なそれを鞄から出すことなく、書斎に置く。


2人で濃密な夜を過ごし、翌日は書斎にこもって持ち帰った仕事を片付ける。

暁里と一緒にいたくて、休日出勤ではなく、在宅で仕事をすることを選んだ。

でも、その前に、SNSを更新する。



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9月15日(土)

昨日、仕事の途中で寄り道して受け取ってきました。

彼女のために作ってもらったオリジナルの指輪。

デザイナーさんが色々なアイディアを出してくれて、たくさん相談にも乗ってくれて、ようやく出来上がりました。

彼女がこれを受け取ってくれる事を願って止みません。
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