仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は考えた末、ちょこさんのSNSにコメントを残す。


*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ちょこさん、こんにちは。
彼はちょこさんの誕生日、本当に知らないんでしょうか?
彼は上司なんですよね?
一応、個人情報を閲覧できる立場にあると思うんですが…
*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*


よし!
これで俺が誕生日を知っててもおかしくない。



12時過ぎ。

コンコン

ドアがノックされ、暁里が呼ぶ。

「お食事、できましたよ。
そろそろ、お昼にしませんか?」

「あ、もうそんな時間?
今、行く。」

俺は、キリのいいところまで仕事を片付けて、ダイニングへと行く。

「お、うまそう!」

テーブルには揚げたての唐揚げ。

狐色に上がったそれは、サクサクとして美味しそうに見える。


「いただきます。」
「いただきます。」

2人で手を合わせ、食べ始めた。

「お仕事、終わりそうですか?」

暁里が心配そうに尋ねる。

「うん。あと1時間もあれば終わると思う。
ごめんな。
せっかくの休みなのに、暁里を放ったらかしに
して。」

「そんなの全然気にしないでください。
私は平気ですから。」

こういう相手を思いやれるところが暁里のいいところだよな。

「その代わり、20日は、絶対定時であがれる
ようにするから、楽しみにしてろよ。」

「え?」

「20日、暁里の誕生日だろ?」

「はい。
知ってたんですか?」

「当たり前だろ?
暁里の情報は、全部チェック済み。」

これで暁里も変なことで悩まなくてもいいよな。

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