仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「がんばったんだから、1つだけごほうび
くれてもいいと思うんだけど。」

俺は前屈みになって、下から暁里の顔を覗き込む。

はぁ……

暁里はため息をひとつ吐いた。

「一応、聞いてあげます。
何ですか?」

「暁里と行きたい所。」

「どこですか?」

「ベッド。」

「は?」

次の瞬間、俺は立ち上がり、暁里を抱き上げた。

「うわっ!
ちょっと!
悠貴さん!」

慌てた暁里は、俺の首にしがみつく。

俺は、そのまま、暁里を希望の場所へと連れ去った。
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