仮想現実の世界から理想の女が現れた時
気づいた!!

暁里の表情を見て緊張の解けた俺は、今度は笑いがこみ上げてくる。

俺は笑顔で言った。

「暁里、結婚しよう。」

だけど、混乱する暁里は俺と指輪を見比べたまま。

「あの、あれ?
なんで?」


「くくっ
暁里、返事は?
俺と結婚したくない?」

「あ、それは、はい。
あの、嬉しいです。
よろしくお願いします。
でも、あれ?」

「じゃあ。」

俺は説明することなく、暁里の左手の薬指に想いを込めた指輪をはめた。

それから、俺は深呼吸をひとつする。

「もう一度、改めて言います。
よあけのちょこさん、俺と結婚してください。」

「え!?
あの、もしかして………
悠貴さんって………
クマさん? ですか?」

「はい。」

ようやく言えた。
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