仮想現実の世界から理想の女が現れた時
翌朝、出勤すると、俺はいつものようにちょこさんのSNSを見る。


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9月21日(金)

昨日、彼からプロポーズされました。
だけど、同時に彼の秘密を打ち明けられ、驚き過ぎてプロポーズのされたのに感動に浸る間もありませんでした。
だから、今頃になって、自分の左手の薬指を見て感動しています。
私…大好きな彼と幸せになります。
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くくっ
そうだよな。
暁里、ごめんな。

俺は、暁里の投稿にコメントを入れる。


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ちょこさんは必ず幸せになれます。
絶対に幸せにするので、信じてついてきてください。
ちょこさんがいてくれたら、俺は世界一、幸せになれます。
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それから程なく、暁里がいつものように元気よく出勤する。

「おはようございます!」

挨拶をして席に着く暁里と、一瞬、目が合い、お互いにふっと微笑んだ。

だけど、俺たちは何事もなかったかのように日常の業務に入る。

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