仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「運命の人?」

なんだ、それ?

「………!
ああ、SNSの事?」

暁里が喋ったんだな。

「そうです!
見知らぬ人に恋をして、それとは別の人に
恋をしたと思ったら、その2人が同一人物
だったなんて、運命としか思えませんよ!」

加藤は興奮して、目をキラキラさせながら語る。

「ま、俺も暁里がちょこさんだって分かった
時には、運命だと思ったけどね。」

俺は、暁里に視線を向けて、頬を緩めた。

一瞬、暁里と目が合うが、暁里は恥ずかしそうに頬を染めて視線を落とす。

かわいい…

「うわっ!
あっという間に2人の世界を作らないで
くださいよ〜。
側にいる私たちが照れるじゃないですか。」

苦情を言う加藤と、それに同調してこくこくと頷く富田。

「いや、そんな事は…」

焦って否定しようとする暁里の横で俺は、

「悪いな。
仕事中、抑えてるから、仕事が終わると
抑えられなくてな。」

と笑って暁里の腰に手を添える。
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