仮想現実の世界から理想の女が現れた時
翌朝、俺は隣で何かが動く気配で目が覚めた。

ああ、そうか。
昨日は、瀬名を泊めたんだった。



昨夜、俺は、酔いつぶれた瀬名を車で家まで送った。

前回は、鞄を探ったら鍵が出てきたので、勝手に開けて中に入ったが、今回は、鞄を探しても鍵が見つからない。

困り果てた俺は、そのまま俺の自宅に連れて帰り、俺のベッドに寝かせた。

俺がソファーに寝ても良かったんだけど、前回のワイシャツの時の瀬名の狼狽えた感じがかわいかったから、朝、俺の隣で目覚めたらどんな反応をするのか、見てみたくなった。

ちょっとしたイタズラ心だったが、これがいけなかった。

美人だと思ってた瀬名が、隣で眠る姿はとても無防備でかわいい。

おまけにいい匂いがする。

これは、本気で惚れたかもしれない。


初対面から気になってた女と、見たこともないのに理想の女だと思ってた女が同一人物だったんだ。

惚れるなっていう方が無理だろ。

俺は、瀬名の手をそっと握って、眠りについた。

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