仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「俺、まだこっちに来て、家と会社と取引先に
しか行ってない。
瀬名、3年以上いるんだろ?
案内しろ。」

「えぇ〜!?
案内出来る程、私も知りませんよ〜」

「じゃあ、一緒に東京見物だな。
とりあえず、飯、食うぞ。」

そう言って俺はトーストとコーヒーを出す。

「悪いな。
今、冷蔵庫、空っぽで。」

コンビニくらい行けば良かったかな。

「いえ、十分です。
ありがとうございます。
いただきます。」

俺達は、朝食を食べ、瀬名のマンションへ向かった。


瀬名の部屋に着くと、

「どうぞ。」

と瀬名はドアを開けてくれたが、その直後、慌てた瀬名に締め出された。

締め出される直前に見えたのは、部屋干しの洗濯物。

白地にピンクのレースのかわいらしいブラジャーが脳裏にこびりついて離れない。

「ちょ、ちょっと、待っててください。」

瀬名は廊下に俺を残して、1人で部屋に入っていった。

全く。
ほんとにこいつは、女の自覚がないんだな。
誘ってるわけでもないのに、こんな無防備な女初めて見た。

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