仮想現実の世界から理想の女が現れた時
瀬名は上村の横で膝をつき、

「お疲れ様です。
瀬名暁里です。
この間まで開発課にいた営業です。
よろしくお願いしますね。」

と酌をしながら、挨拶をした。

「上村楓です。
よろしくお願いします。」

上村もにっこりと挨拶をする。

上村は会話もうまく、感じがいいと思って採用したが、最近、どうもそれだけじゃない雰囲気を感じることがある。

俺の気のせいだといいんだが…

次いで、隣の石原にも酌をする。

「瀬名暁里です。
よろしくお願いしますね。」

「はい、よろしくお願いします。
瀬名さん、配属された時から気になってたん
です。
綺麗な人だなぁと思って。」

石原は笑顔で酌を返している。

こいつも油断ならない奴だ。
初対面でナンパとは…

「いえ、そんな事は…」

瀬名が困っているのを見て、

「石原、入社早々、ナンパとはいい度胸だな。」

と俺は割って入った。

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