仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「ナンパなんて、そんな。
俺、正直なんで、思った事がついつい口から
出ちゃうんですよ〜」

と石原が笑う。

そこへ上村が加わった。

「石原くん、正直なら、部長カッコいいですね
って言わなきゃ、いけないんじゃない?」

「ははっ
確かに、そうですよね。
うん、部長、カッコいいです。」

「男に褒められてもなぁ…」

と苦笑いをこぼしながら、上村のわざとらしいおべっかに微かに苛立ちを覚える。

1時間程経った頃、瀬名と飲んでいた俺の隣へ上村がやってきた。

「部長、今日はお忙しいのに来てくださって
ありがとうございました。」

と言って酌をする。

酌をするだけならいいが、わざとらしく身を寄せて、肩や膝をくっつけてくる。

俺は、こういう、よく知りもしないのに色仕掛けで迫ってくる女が1番嫌いだ。

こいつ、絶対、俺のこと、ルックスと肩書きでしか見てないだろ。
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