ラブパッション
若手の中では、営業成績もトップクラスというのも納得。
なかなかの遣り手営業マンなのに、わりとそそっかしくて、書類は穴だらけだったり。
まだ不慣れな私では、彼のミスを見つけられなくて、周防さんや課長に指摘され、二人で怒られることもしばしば。
私がしゅんとする横で、長瀬さんは平然としていて、ペロッと舌を見せて笑うだけ。
唖然としてしまうほどのおおらかさに、私もホッと胸を撫で下ろす。
仕事中も隠すことなくまっすぐ向けられる好意に、ドキッとすることはある。
当たり障りなく話題の方向を変えるのに、まだまだ神経を使うけれど……。
忙しない日常を、笑って、怒って、戸惑って――。
今までにないほど感情の振れ幅は大きいのに、平静でいられる自分がいる。
そう。
こんな平穏な日々が続けば、不倫とか略奪とか、怖いことを考えず、普通に過ごすことができる。
知らなくていいことを、知る必要はない。
そうやって、周防さんと接する機会をほとんど失い、私は、緊張もドキドキもない日常に埋没されていった。
なかなかの遣り手営業マンなのに、わりとそそっかしくて、書類は穴だらけだったり。
まだ不慣れな私では、彼のミスを見つけられなくて、周防さんや課長に指摘され、二人で怒られることもしばしば。
私がしゅんとする横で、長瀬さんは平然としていて、ペロッと舌を見せて笑うだけ。
唖然としてしまうほどのおおらかさに、私もホッと胸を撫で下ろす。
仕事中も隠すことなくまっすぐ向けられる好意に、ドキッとすることはある。
当たり障りなく話題の方向を変えるのに、まだまだ神経を使うけれど……。
忙しない日常を、笑って、怒って、戸惑って――。
今までにないほど感情の振れ幅は大きいのに、平静でいられる自分がいる。
そう。
こんな平穏な日々が続けば、不倫とか略奪とか、怖いことを考えず、普通に過ごすことができる。
知らなくていいことを、知る必要はない。
そうやって、周防さんと接する機会をほとんど失い、私は、緊張もドキドキもない日常に埋没されていった。