ラブパッション
ライトを落とした、仄暗い部屋。
お互いの荒い息遣いと、激しくベッドが軋む音が鼓膜に響く。
何度も最奥を突かれ、私は果てしない官能の渦に引きずり込まれる。
さっきまでは断続的だった快感の波は、もうずっと絶え間ない。


「ゆ、たか、さ」


何度も意識が飛びそうになり、朦朧としたまま、私は無意識に彼の名を呼んでいた。


「も、私っ……」


泣き言のような、懇願のような。
掠れた声で口走った途端……。


「っ、あ、ああっ……!」


一気に絶頂を迎え、目の前に星が飛んだ。
そして、すぐに真っ白になる。
まさに同じタイミングで、私を組み敷いていた優さんが、ブルッと身震いした。


「っ、く……」


切なげな呻き声を漏らし、脱力して私に被さってくる。
熱を帯びて汗ばんだ肌がぴったりと密着して、私は無意識に広い背中に腕を回した。
逞しい身体を強く抱きしめ、浸透してくる彼の体温に身を委ねる。


「優、さん……」


彼の耳元で、吐息混じりに名前を呼ぶ。


「夏帆……」


優さんも、私に応えてくれた。
抱き合って名前を呼び合うだけで、怖いくらい胸がきゅんきゅんする。


『次の恋へのリハビリ』なんて嘘をついて、なりふり構わず彼への恋に飛び込んだあの夜から、二週間。
私たちは仕事帰りに会って、こうして何度か身体を重ねた。
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