ラブパッション
会議室で部長に挨拶を終えた私を、課長が迎えに来てくれた。
どうやらこの後、海外営業部の全体朝礼を行うらしい。
その場で、私を紹介してくれるそうだ。
海外営業部は八つのグループに分かれていて、トータルした部員数は百人近いと聞いた。
そんなたくさんの人が、一斉に私に注目する。
槍のような視線の矢面になって震え上がりながらも、なんとか着任の挨拶を終えた。
その後、グループごとのミーティングに移る。
私が配属された『第一グループ』は十五人ほどで、男女比率は半々。
ここに来てやっと、小ぢんまりと感じる人数で、ホッとする。
「東京は初めてだそうだから、みんないろいろ教えてやって。三年目だから、笹谷君、小倉さんの同期だな」
課長が再度私を紹介してくれて、それに「はいっ」と元気な声があがった。
「小倉菊乃(おぐらきくの)です。椎葉さん、よろしく」
背が高い女性が、明るく手を振ってくれた。
はきはきした印象で、ミディアムショートヘアがとてもよく似合っている。
「笹谷智久(ささたにともひさ)です。よろしく」
小倉さんの隣にいた眼鏡の男性社員は、先の彼女に比べると事務的だけど、目が合うと柔らかい笑顔を向けてくれた。
どうやらこの後、海外営業部の全体朝礼を行うらしい。
その場で、私を紹介してくれるそうだ。
海外営業部は八つのグループに分かれていて、トータルした部員数は百人近いと聞いた。
そんなたくさんの人が、一斉に私に注目する。
槍のような視線の矢面になって震え上がりながらも、なんとか着任の挨拶を終えた。
その後、グループごとのミーティングに移る。
私が配属された『第一グループ』は十五人ほどで、男女比率は半々。
ここに来てやっと、小ぢんまりと感じる人数で、ホッとする。
「東京は初めてだそうだから、みんないろいろ教えてやって。三年目だから、笹谷君、小倉さんの同期だな」
課長が再度私を紹介してくれて、それに「はいっ」と元気な声があがった。
「小倉菊乃(おぐらきくの)です。椎葉さん、よろしく」
背が高い女性が、明るく手を振ってくれた。
はきはきした印象で、ミディアムショートヘアがとてもよく似合っている。
「笹谷智久(ささたにともひさ)です。よろしく」
小倉さんの隣にいた眼鏡の男性社員は、先の彼女に比べると事務的だけど、目が合うと柔らかい笑顔を向けてくれた。