ラブパッション
これから、私に実務指導してくれる『周防主任』だ。
私も、緩みかけた気を引きしめ、背筋を伸ばし……。
「……え?」
ドクッと、なにか沸き立つような心臓の拍動にのまれ、吸い込んだ息が、喉の奥でひゅっと変な音を立てた。
「おはよう、周防主任。こちら、今日からうちに配属された椎葉夏帆さんだ。二週間、面倒見てやってくれ」
課長に言われて、彼は柔らかく目を細めて応じている。
「初めまして。倉庫の高畠課長から、話は聞いてる」
彼は課長の隣で立ち尽くしている私に、気さくに声をかけてくれた。
そして、正面から目が合った瞬間……。
「っ」
私は、呼吸のし方を忘れて息を止めた。
呆然と大きく目を見開く私に、彼もほんの一瞬小さく息をのんだ。
その反応で、彼も『気付いた』と直感する。
ドクドクと、心臓が猛烈な速度で加速していく。
速い鼓動に呼吸が追いつかず息苦しいのに、私は彼から目が離せない。
彼の方は、すぐに先ほどまでの笑みを取り戻した。
「第一グループ主任の、周防優(ゆたか)です。よろしく、椎葉さん」
とても穏やかに挨拶してくれるのに、私はなんの反応も返せない。
「……椎葉さん?」
課長が、怪訝そうに私を呼ぶ。
私も、緩みかけた気を引きしめ、背筋を伸ばし……。
「……え?」
ドクッと、なにか沸き立つような心臓の拍動にのまれ、吸い込んだ息が、喉の奥でひゅっと変な音を立てた。
「おはよう、周防主任。こちら、今日からうちに配属された椎葉夏帆さんだ。二週間、面倒見てやってくれ」
課長に言われて、彼は柔らかく目を細めて応じている。
「初めまして。倉庫の高畠課長から、話は聞いてる」
彼は課長の隣で立ち尽くしている私に、気さくに声をかけてくれた。
そして、正面から目が合った瞬間……。
「っ」
私は、呼吸のし方を忘れて息を止めた。
呆然と大きく目を見開く私に、彼もほんの一瞬小さく息をのんだ。
その反応で、彼も『気付いた』と直感する。
ドクドクと、心臓が猛烈な速度で加速していく。
速い鼓動に呼吸が追いつかず息苦しいのに、私は彼から目が離せない。
彼の方は、すぐに先ほどまでの笑みを取り戻した。
「第一グループ主任の、周防優(ゆたか)です。よろしく、椎葉さん」
とても穏やかに挨拶してくれるのに、私はなんの反応も返せない。
「……椎葉さん?」
課長が、怪訝そうに私を呼ぶ。