ラブパッション
「夏帆、ベッドに行こう。今夜は泊まれる」
そんな誘いではぐらかし、私の腕を強引にぐいと引っ張った。
「あ」
力任せに振り回され、私の足は縺れてしまう。
けれど優さんは、床のカーペットに躓く私を気にすることなく、部屋のど真ん中に置かれたダブルベッドに、まっすぐに突き進んでいく。
「っ……優、さんっ!!」
まるで、ダンスで無理やり回転させられたみたいに、私はベッドに仰向けに転がされた。
一瞬にして、目に映るものが部屋の風景から天井に変わり、ネクタイを解きながら私を組み敷く優さんが、視界を占領する。
天井の照明を背に浴びた彼が、昼間のまま固く厳しい表情なのに怯み、私は小さくこくっと喉を鳴らした。
でも、答えてもらえないままなし崩しに抱かれてしまったら、もうこの先疑問をぶつける機会を逸してしまう、そんな気がする。
「だ、ダメ! 待って……」
ギリギリまで首を捻って、唇を寄せる優さんから逃げた。
いつにない抵抗を見せて手足をバタつかせる私に、優さんが小さな舌打ちをした。
そして――。
「俺は、これまで一度も、玲子を抱いたことはない!」
顔を掠めそうになった私の手を掴んで制しながら、吐き捨てるように言った。
そんな誘いではぐらかし、私の腕を強引にぐいと引っ張った。
「あ」
力任せに振り回され、私の足は縺れてしまう。
けれど優さんは、床のカーペットに躓く私を気にすることなく、部屋のど真ん中に置かれたダブルベッドに、まっすぐに突き進んでいく。
「っ……優、さんっ!!」
まるで、ダンスで無理やり回転させられたみたいに、私はベッドに仰向けに転がされた。
一瞬にして、目に映るものが部屋の風景から天井に変わり、ネクタイを解きながら私を組み敷く優さんが、視界を占領する。
天井の照明を背に浴びた彼が、昼間のまま固く厳しい表情なのに怯み、私は小さくこくっと喉を鳴らした。
でも、答えてもらえないままなし崩しに抱かれてしまったら、もうこの先疑問をぶつける機会を逸してしまう、そんな気がする。
「だ、ダメ! 待って……」
ギリギリまで首を捻って、唇を寄せる優さんから逃げた。
いつにない抵抗を見せて手足をバタつかせる私に、優さんが小さな舌打ちをした。
そして――。
「俺は、これまで一度も、玲子を抱いたことはない!」
顔を掠めそうになった私の手を掴んで制しながら、吐き捨てるように言った。