ラブパッション
トレーを手に、あらかじめ小鉢に盛ってあるお惣菜を手に取るスタイルで、なかなか効率がいい。


「倉庫勤務の時はどうしてたの?」


菊乃が、グリーンサラダを取りながら、首を傾げた。


「お弁当」


私はマカロニサラダをチョイスして、返事をする。


「自分で作るの?」

「ほぼ。でも、たまに母に作ってもらってた」


ひょいと肩を動かすと、菊乃がフフッと笑った。


「夏帆、料理上手そう。お弁当持ってきた時も、社食の席使えるよ。自分のデスクで食べる人もいるけど、休憩の時くらいオフィスから離れたいでしょ」

「ありがとう。参考にする」


面倒見良くいろいろ教えてくれながら、先に会計を済ませた菊乃が、笹谷君を捜している。


「あ、いたいた。お? 珍しくいい席確保したじゃない」


笹谷君が席を取ってくれていて、私たちは窓際の四人席に近付いていった。


「タイミングよく空いたんだ。そっち、二人でどうぞ」


笹谷君が勧めてくれて、私は菊乃と並んで座った。
三人揃って「いただきます」と両手を合わせて、早速箸を持つ。


「どう? うちの職場は」


笹谷君に問いかけられ、私は彼に顔を向けた。
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