ラブパッション
「え、と……優さん……?」


なにか、ムード台無しなことでも言ってしまっただろうか。
そんな焦りで、顔を伏せる彼を探るように呼びかける。
彼は、一度ブルッと大きく身を震わせ……。


「わかった」


短い一言と同時に私の肩に手をかけ、再びゴロンと仰向けにした。


「あっ」

「夏帆。朝まで離さない。これまでのように、俺は家に帰る必要はないし、君も……ここから帰さない」


まるで挑むようにそう言って、唇を啄むキスを仕掛けてくる。


「んっ、ん……」

「俺だって、いつも君と同じ朝を迎えたかった。一つになった後、君の温もりを手放すのは、どれだけ身が引き裂かれる想いだったか……」


そう言いながら唇を離し、優さんが私に体重を預けてきた。
微かに汗ばんだ肌が密着して、その上ぎゅうっと抱きしめられ、私の胸のドキドキは臨界点を超える。


「あ、ゆた……」

「夏帆、好きだ。愛してる」


私の耳元に顔を埋め、優さんが熱っぽく呟いた。


「っ……」


私の胸がドキッと大きく跳ね上がり、鼓動がリズムを乱す。
その様は、触れ合った胸から、直接彼にも伝わってしまっただろう。
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