ラブパッション
クスッと、小さな笑い声が耳朶をくすぐった。


「俺はずっと、そう言いながら、君を抱きたかった」


その言葉がじんわりと沁み入り、私の胸がきゅうんと締めつけられる。


「私、私も、優さん」


彼の後頭部に手を回し、髪に指を通して掻き抱いた。


「私も、ずっと言いたかった。優さん、好き、大好きって……」


何度も抱かれたのに、一度だって口走ることは許されなかった。
彼と同じ切なさ、やるせない想いを抱えていたことを、今、初めて吐露する。


「……ああ」


私の腕の中で、優さんが一瞬ブルッと身体を震わせ、掠れた声で返してくれた。
ベッドに手を突き、そこをギシッと軋ませて上体を起こす。


組み敷かれて見上げる角度の優さんは、なんとも妖艶で色っぽい。
否応なくドキッと跳ねる胸の反応は、もう抑えようがない。


「一緒に、朝を迎えよう」


優さんはそう言って、私の胸への意地悪な愛撫を再開した。


「ひゃっ……! あ、やあ、っ……!」

「ほら、夏帆。もっと可愛い声で鳴いて。もう、ずっと離れず、一緒にいるから」


彼のそんな言葉で、私たち二人の熱帯夜が始まった――。
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