ラブパッション
手を引く力は優しいのに、肩を抱き寄せる腕は力強い。
なのに震える声を詰まらせる優さんは、見たこともないくらいアンバランスで、私は込み上げるものを抑え切れない。
「ゆ、たか、さんっ……!」
私の手を離したその手で、顔を覆って伏せる彼の胸に飛び込み、ぎゅうっとしがみついた。
「優さん。優さん」
『親友』に、幸せになることを謝る優さんが、今までどれほどの苦悩を抱えていたか、この目で、肌で、心で感じた気分だった。
なんて言葉をかけたらいいかわからないほど、頭は真っ白で胸はいっぱい。
だから、壊れたオルゴールみたいに、ただただ、何度も彼の名を呼ぶ。
優さんは、私の肩を抱く腕に力を込め……。
「夏帆を、愛してるんだ……」
最後は、消え入るような声でそう言った。
心が、鷲掴みにされる。
胸が震えて、彼への想いが堰を切ったように溢れ出し、迸る。
「っ……優、さん」
堪らない想いで、優さんの逞しい胸に顔を埋めた。
彼も私の頭を抱え込んで応えてくれる。
その時。
「……優」
小枝を踏むパキッという音と共に、静かな凛とした声が耳に届いた。
「玲子」
一拍分の間の後、頭上で優さんがそう呼ぶのを聞いて、私はハッと息をのんだ。
彼の胸から顔を離し、声の方向を向く。
なのに震える声を詰まらせる優さんは、見たこともないくらいアンバランスで、私は込み上げるものを抑え切れない。
「ゆ、たか、さんっ……!」
私の手を離したその手で、顔を覆って伏せる彼の胸に飛び込み、ぎゅうっとしがみついた。
「優さん。優さん」
『親友』に、幸せになることを謝る優さんが、今までどれほどの苦悩を抱えていたか、この目で、肌で、心で感じた気分だった。
なんて言葉をかけたらいいかわからないほど、頭は真っ白で胸はいっぱい。
だから、壊れたオルゴールみたいに、ただただ、何度も彼の名を呼ぶ。
優さんは、私の肩を抱く腕に力を込め……。
「夏帆を、愛してるんだ……」
最後は、消え入るような声でそう言った。
心が、鷲掴みにされる。
胸が震えて、彼への想いが堰を切ったように溢れ出し、迸る。
「っ……優、さん」
堪らない想いで、優さんの逞しい胸に顔を埋めた。
彼も私の頭を抱え込んで応えてくれる。
その時。
「……優」
小枝を踏むパキッという音と共に、静かな凛とした声が耳に届いた。
「玲子」
一拍分の間の後、頭上で優さんがそう呼ぶのを聞いて、私はハッと息をのんだ。
彼の胸から顔を離し、声の方向を向く。