ラブパッション
その夜、菊乃と笹谷君が仕切って、海外営業部の有志で歓迎会をしてくれた。
急な招集にも関わらず、他のグループも含め、若手を中心に三十人近くが集まった。
倉庫勤務の時の、全社員が集まる忘年会と同じくらいの人数。
しかも周りはみんな同年代。
男性も女性も、みんな普通にお洒落だし、これだけ揃うととても華やかだ。
他のグループの人たちは、顔も名前もわからない。
私は人見知りして緊張していたけれど、みんな気さくに話しかけてくれる。
「椎葉さん、周防さんから教わってるんだって?」
隣に来た第二グループの女性が、カクテルグラスを揺らしながら、覗き込んでくる。
「は、はい」
「いいなあ~。けど、あの誰にでも見せる優しさを勘違いして玉砕する子、多いんだよね」
「秘書課のナナちゃんも振られたって噂」
「え、うちの会社の美人No.1も?」
「ビジュアル的には、周防さんと並んでも、美男美女でお似合いだけどね」
周防さんの話題と聞きつけたのか、私の周りに女性が群がってきた。
みんなの真ん中にいても、私に口を挟む隙はない。
急な招集にも関わらず、他のグループも含め、若手を中心に三十人近くが集まった。
倉庫勤務の時の、全社員が集まる忘年会と同じくらいの人数。
しかも周りはみんな同年代。
男性も女性も、みんな普通にお洒落だし、これだけ揃うととても華やかだ。
他のグループの人たちは、顔も名前もわからない。
私は人見知りして緊張していたけれど、みんな気さくに話しかけてくれる。
「椎葉さん、周防さんから教わってるんだって?」
隣に来た第二グループの女性が、カクテルグラスを揺らしながら、覗き込んでくる。
「は、はい」
「いいなあ~。けど、あの誰にでも見せる優しさを勘違いして玉砕する子、多いんだよね」
「秘書課のナナちゃんも振られたって噂」
「え、うちの会社の美人No.1も?」
「ビジュアル的には、周防さんと並んでも、美男美女でお似合いだけどね」
周防さんの話題と聞きつけたのか、私の周りに女性が群がってきた。
みんなの真ん中にいても、私に口を挟む隙はない。