ラブパッション
お昼休みは菊乃たちとも時間が合わず、ランチは一人でとった。
相変わらず混雑した社食。
一人では身の置き場がなく、私は早々に退散してきた。
デスクに戻る前にメイクを直そうと、オフィスを通り過ぎて化粧室に足を向けた時。
「あ、夏帆ちゃん!」
ちょうどオフィスから出てきた長瀬さんが、私を呼び止めた。
「はい……?」
肩越しに振り返ると、彼が弾むように駆けてくる。
「周防さんから伝言。急な外出予定が入ったから、今までの復習しておいて、って。一時間くらいで戻るから、その後OJT始めよう……ってさ」
「あ、はい。ありがとうございます」
午後も、会議室で周防さんと二人きり。
またドキドキさせられるのかな、とちょっと身構えていたから、思わずホッとしてしまった。
伝えてくれた長瀬さんに笑顔を返すと、彼が「それから」と続ける。
「夏帆ちゃん、さ。その……今週末、予定ある?」
「え?」
辺りを憚るように、こそっと訊ねられ、瞬きしながら聞き返した。
「映画の配給会社に勤めてる友人がいて。招待券もらったんだ。よかったら一緒に行かない?」
「映画……ですか」
相変わらず混雑した社食。
一人では身の置き場がなく、私は早々に退散してきた。
デスクに戻る前にメイクを直そうと、オフィスを通り過ぎて化粧室に足を向けた時。
「あ、夏帆ちゃん!」
ちょうどオフィスから出てきた長瀬さんが、私を呼び止めた。
「はい……?」
肩越しに振り返ると、彼が弾むように駆けてくる。
「周防さんから伝言。急な外出予定が入ったから、今までの復習しておいて、って。一時間くらいで戻るから、その後OJT始めよう……ってさ」
「あ、はい。ありがとうございます」
午後も、会議室で周防さんと二人きり。
またドキドキさせられるのかな、とちょっと身構えていたから、思わずホッとしてしまった。
伝えてくれた長瀬さんに笑顔を返すと、彼が「それから」と続ける。
「夏帆ちゃん、さ。その……今週末、予定ある?」
「え?」
辺りを憚るように、こそっと訊ねられ、瞬きしながら聞き返した。
「映画の配給会社に勤めてる友人がいて。招待券もらったんだ。よかったら一緒に行かない?」
「映画……ですか」