出会いはいつも突然なのです!

「お前は……馬鹿なのか?」

俺の突然の告白に彼女はもちろん、怒りを露わにしていた男性教師までもが、驚きを隠しきれていない。

「え、えっと……」

言ってから思い知る。

―――やっちまった……。

女子生徒は顔を真っ赤にし、俯いてしまった。先生に至っては、額に手をやり、あちゃーっと言わんばかりだ。

どうして、どうしてこんなことを言ってしまったんだ!!

自分の行動の意味が分からず、この場でどんな顔をすればいいかも分からない。
てか、恥ずかしくて穴があったら入りたい……。

2人から浴びせられる視線に耐えきれず、俺は逃げるようにしてその場を後にした。

お願いだから、残りの学生生活であの二人と関わりがないように……。

神に祈るようにして、教室に戻りカバンを持つ。

「あ、運んでくれたのー?」

その時、ちょうど教室へと戻ってきた鳥居先生が声をかけてくる。

「あ、えっと……はい」

瞬間、脳裏に突然告白してしまった、あのシーンが蘇る。

「ありがとねー!!」

陽気なテンションでそう言う鳥居先生に頭を下げてから、俺は教室を飛び出した。

なんで俺はあんなことを……。
思い返してみても意味がわからない。

でもこれだけは分かる。
あの子は可愛い。そして、俺はあの子に惚れた。

普通に考えてあの場面であれを言うか!?
後先考えずに行動した自分を戒めるように、問いかける。


学校中に広まってたら、明日からどう過ごそう。
あぁ、ほんとに……やっちまったよ。

考えるだけでお腹がキリキリと痛くなりながら、俺は自宅へと帰ったのだった。
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