出会いはいつも突然なのです!
「ちょ、ちょっと!」
まず初めに声を上げたのは大空さんだった。恥ずかしいのか、耳まで真っ赤した大空さんは、か弱い声で虎太郎に言う。
「え、嘘? ガチで? まじで告ったの?」
冗談だと思っていたのだろう。それがまさかの事実で、訊いた本人である虎太郎ですら戸惑いを隠せていない。
「ま、まぁ。それはいいから!」
強引に話を逸らし、俺は教室に入る。その後ろから背を丸くした大空さんがついてくる。
「やるなー、将人」
そんな俺を見た慎司はそう呟くのだった。
「ごめんね」
「うんん、俺の方こそ」
席に戻るや否や、大空さんがそう零した。
どこからどう見ても俺が悪い。職員室で告白するなんて、無茶苦茶にも程があるだろう。
「でも……」
助けてくれた。彼女は俺に対してそう思っているのだろう。本当はそうじゃない。ただ、純粋に俺が惚れてしまったのだと言うのに……。
「気にしなくていいよ。それよりも、なんで虎太郎が知ってたかってことだよ」
職員室には俺と大空さんと牛見先生以外誰もいなかったはず。あれを見聞きしていた人がいるならば、その人に釘を刺さなければ。
「いやぁ、ほんと驚きだよなー」
そこへ虎太郎が戻ってくる。半信半疑、といった表情で俺を見ている。
「うるせぇ」
軽く睨みそう言うと、虎太郎は悪びれた様子もなくチロっと舌を出す。
「で、結局誰から聞いたんだよ」
前の席に腰を下ろした虎太郎。それと同時に訊く。
「え? あぁ、牛見先生だよ」
「「はぁ!?」」
予想外の答えに俺と大空さんは、同時に驚きの声を上げた。