お見合い結婚します―でもしばらくはセックスレスでお願いします!
18.二人でショッピングに出かけたら、元カノ?に会った!
一緒に住んでもう1か月位になる。いままで二人でショッピングにも出かけたことがないと言って、亮さんが二人で街中へ行ってみたいと私を誘ってくれた。
確かにいつも家で話していて、代り映えがしなくなったのは事実だった。私の誕生日が来週の11月24日(金)なのを覚えてくれていた。20代最後の29歳の誕生日だ。
「明日の土曜日、二人でショッピングにでも行ってみないか? 理奈さんの誕生日は来週だったね。婚約してから何もプレゼントをしていなかった。誕生祝いに何かプレゼントをしたいと思っている」
「高価な婚約指輪をいただきました。それで十分です。それに私のお願いを聞き入れてもらっているので、気が引けていただけません」
「僕は理奈さんにブレスレットをプレゼントしたいと思っているんだ。きっと似合うと思う」
「それほどまでおっしゃるのなら、お受けします」
「じゃあ、明日買いに行こう」
「私もお洋服を見たいので出かけましょう」
「どこへいく?」
「原宿と青山へ行ってみたい。随分行っていないから」
「了解した。ジュエリーショップを調べておくよ」
************************************
(11月第3土曜日)
亮さんが調べておいてくれたジュエリーショップを2軒ほど回ると、二人が気に入ったブレスレットが見つかった。亮さんはそれを買ってその場で手に付けてくれた。嬉しかった。
それから亮さんと手を繋いで青山通りのブティックをウインウショッピングして歩く。私は気に入った店があると中に入って見て回る。亮さんは「ゆっくり見ていいから、外にいる」と言って中には入らない。
ひととおり店の中を見て回って外に出ると、亮さんが二人の若い女性と立ち話をしていた。年のころは私と同じくらいと思えた。亮さんと話している女性は見た目も素敵で着ているものもセンスがいい。
亮さんがニコニコして話している。私は気付かれないように店を出て隣の店のウインドウを見るふりをする。そして、3人の様子をうかがう。亮さんは私が店を出てきたのに気付いている。時々こちらをチラ見している。でも私を呼んで彼女たちに紹介しようとはしなかった。
彼女たちが私の出てきた店に入ると、すぐに私に合図して歩いて行った。私は急いで亮さんに追いついた。
「素敵な方ですね」
「会社の女性だ。二人でいるところを見られなくてよかった」
「見られてもいいじゃないですか?」
「社内で言いふらされるとうっとうしい。根掘り葉掘り聞かれるし。そこの店で一休みしよう」
コーヒーショップがあったので、亮さんはすぐに中にはいった。歩いていてまた会わないとも限らないからと言う。少し時間をおいてやり過ごしたいみたい。ブレンドコーヒーを注文した。
私は不機嫌そうな顔をしていたと思う。亮さんがほかの女性と嬉しそうに話しているのをみたから嫉妬したのかもしれない。
それに私を婚約者とは言わないまでも付き合っているとか言って紹介してくれてもよかったのにと思っていたからだった。私は亮さんが相当に好きになっている?
「意外ともてるんですね。素敵な女性でしたね。歳は私と同じくらいでしょうか?」
「そうだね、同じくらいだと思う」
「彼女は亮さんに好意を持っているように見えました。これは女の感ですが」
ちょっと嫌みかもしれないと思ったけど口から出てしまった。少し絡みたい気分だった。
「彼女とそばにいた女性、二人は同期だ。僕が本社に来た頃、僕は30歳位で彼女たちはその年に入った新入社員だった。僕の同期の誰だか忘れたけど、音頭をとって合コンをした。僕も誘われて参加した」
「結構、積極的だったんですね」
「丁度、本社に来たばかりで物珍しさもあってね」
「その時知り合ったのですか?」
「可愛い子だったので、思い切って食事に誘ってみた。そのあと2~3回食事に誘ったり誘われたりした。月に1回ぐらい、付かず離れずの関係だったかな、お互いにフリーで、付き合っているというより、その一歩手前の友達みたいな微妙な関係だった」
「ありえますね」
「彼女にはほかにも男性の友達がいたみたいだった。だから僕はOne of them だったと思う」
「彼女のことをどう思っていたのですか?」
「見てのとおり男好きのするタイプで可愛くてチャーミングだった。東京出身で東京の有名私立大学を出ている。実家から通っているので、経済的にも余裕があるように見えた。僕には少し生活が派手な感じがして付き合うのは大変かなと思っていた」
「確かに、実家から通っている娘は経済的にゆとりがありましたね。大学でも勤めてからも」
「まあ、それで夢中になることもなかったのかもしれない。彼女も追っかけてくるというようなタイプではなかった。まあ、僕にもその程度の魅力しかなかったということだろう。徐々に疎遠になった。別れたというほどの関係でも元々なかった」
「何となく感じ分かります」
「今思うと、その時彼女は20代前半で、まだ就職したばかりで、ベストの相手を求めて、いろいろ付き合ってみていたのではないかと思う」
「そうですね、私も20代前半ではまだ結婚はないと思っていましたから」
「お見合いの時だったかな、『秘書問題』や『裁量選択問題』と呼ばれる理論分析が、お見合いにも応用できると言う話をしたのを覚えている?」
「興味深いお話だったのでよく覚えています」
「彼女から見れば、その時の僕は最初に見送るという全体の37%に入っていたのだと思う」
「もったいなかったですね。今の彼女なら、37%よりも良い人が現れたらその人に決めるというその人に亮さんがなっていると思います」
「そうかな? 出会う時期が早過ぎた? いや、もう遅過ぎた? 出会いの時期もご縁なのかもしれないね」
「よく考えてみると、私にも当てはまることだと思います」
「それを聞いて嬉しい。今日、プレゼントを買いに来たかいがあった」
亮さんは女性の扱いがうまいのかもしれない。私は機嫌が直っているのに気が付いた。
確かにいつも家で話していて、代り映えがしなくなったのは事実だった。私の誕生日が来週の11月24日(金)なのを覚えてくれていた。20代最後の29歳の誕生日だ。
「明日の土曜日、二人でショッピングにでも行ってみないか? 理奈さんの誕生日は来週だったね。婚約してから何もプレゼントをしていなかった。誕生祝いに何かプレゼントをしたいと思っている」
「高価な婚約指輪をいただきました。それで十分です。それに私のお願いを聞き入れてもらっているので、気が引けていただけません」
「僕は理奈さんにブレスレットをプレゼントしたいと思っているんだ。きっと似合うと思う」
「それほどまでおっしゃるのなら、お受けします」
「じゃあ、明日買いに行こう」
「私もお洋服を見たいので出かけましょう」
「どこへいく?」
「原宿と青山へ行ってみたい。随分行っていないから」
「了解した。ジュエリーショップを調べておくよ」
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(11月第3土曜日)
亮さんが調べておいてくれたジュエリーショップを2軒ほど回ると、二人が気に入ったブレスレットが見つかった。亮さんはそれを買ってその場で手に付けてくれた。嬉しかった。
それから亮さんと手を繋いで青山通りのブティックをウインウショッピングして歩く。私は気に入った店があると中に入って見て回る。亮さんは「ゆっくり見ていいから、外にいる」と言って中には入らない。
ひととおり店の中を見て回って外に出ると、亮さんが二人の若い女性と立ち話をしていた。年のころは私と同じくらいと思えた。亮さんと話している女性は見た目も素敵で着ているものもセンスがいい。
亮さんがニコニコして話している。私は気付かれないように店を出て隣の店のウインドウを見るふりをする。そして、3人の様子をうかがう。亮さんは私が店を出てきたのに気付いている。時々こちらをチラ見している。でも私を呼んで彼女たちに紹介しようとはしなかった。
彼女たちが私の出てきた店に入ると、すぐに私に合図して歩いて行った。私は急いで亮さんに追いついた。
「素敵な方ですね」
「会社の女性だ。二人でいるところを見られなくてよかった」
「見られてもいいじゃないですか?」
「社内で言いふらされるとうっとうしい。根掘り葉掘り聞かれるし。そこの店で一休みしよう」
コーヒーショップがあったので、亮さんはすぐに中にはいった。歩いていてまた会わないとも限らないからと言う。少し時間をおいてやり過ごしたいみたい。ブレンドコーヒーを注文した。
私は不機嫌そうな顔をしていたと思う。亮さんがほかの女性と嬉しそうに話しているのをみたから嫉妬したのかもしれない。
それに私を婚約者とは言わないまでも付き合っているとか言って紹介してくれてもよかったのにと思っていたからだった。私は亮さんが相当に好きになっている?
「意外ともてるんですね。素敵な女性でしたね。歳は私と同じくらいでしょうか?」
「そうだね、同じくらいだと思う」
「彼女は亮さんに好意を持っているように見えました。これは女の感ですが」
ちょっと嫌みかもしれないと思ったけど口から出てしまった。少し絡みたい気分だった。
「彼女とそばにいた女性、二人は同期だ。僕が本社に来た頃、僕は30歳位で彼女たちはその年に入った新入社員だった。僕の同期の誰だか忘れたけど、音頭をとって合コンをした。僕も誘われて参加した」
「結構、積極的だったんですね」
「丁度、本社に来たばかりで物珍しさもあってね」
「その時知り合ったのですか?」
「可愛い子だったので、思い切って食事に誘ってみた。そのあと2~3回食事に誘ったり誘われたりした。月に1回ぐらい、付かず離れずの関係だったかな、お互いにフリーで、付き合っているというより、その一歩手前の友達みたいな微妙な関係だった」
「ありえますね」
「彼女にはほかにも男性の友達がいたみたいだった。だから僕はOne of them だったと思う」
「彼女のことをどう思っていたのですか?」
「見てのとおり男好きのするタイプで可愛くてチャーミングだった。東京出身で東京の有名私立大学を出ている。実家から通っているので、経済的にも余裕があるように見えた。僕には少し生活が派手な感じがして付き合うのは大変かなと思っていた」
「確かに、実家から通っている娘は経済的にゆとりがありましたね。大学でも勤めてからも」
「まあ、それで夢中になることもなかったのかもしれない。彼女も追っかけてくるというようなタイプではなかった。まあ、僕にもその程度の魅力しかなかったということだろう。徐々に疎遠になった。別れたというほどの関係でも元々なかった」
「何となく感じ分かります」
「今思うと、その時彼女は20代前半で、まだ就職したばかりで、ベストの相手を求めて、いろいろ付き合ってみていたのではないかと思う」
「そうですね、私も20代前半ではまだ結婚はないと思っていましたから」
「お見合いの時だったかな、『秘書問題』や『裁量選択問題』と呼ばれる理論分析が、お見合いにも応用できると言う話をしたのを覚えている?」
「興味深いお話だったのでよく覚えています」
「彼女から見れば、その時の僕は最初に見送るという全体の37%に入っていたのだと思う」
「もったいなかったですね。今の彼女なら、37%よりも良い人が現れたらその人に決めるというその人に亮さんがなっていると思います」
「そうかな? 出会う時期が早過ぎた? いや、もう遅過ぎた? 出会いの時期もご縁なのかもしれないね」
「よく考えてみると、私にも当てはまることだと思います」
「それを聞いて嬉しい。今日、プレゼントを買いに来たかいがあった」
亮さんは女性の扱いがうまいのかもしれない。私は機嫌が直っているのに気が付いた。