Sometimes,with someone
母親の実家で生活するようになり
当たり前のように母親は毎日夜遅くまで
帰ってこなかった。
保育園に入れず、働けない祖母。

「はあ…ミキが親になるには早すぎたのね。
子供が1人だけならまだよかったのかしら」

祖母も私の子守りに嫌気がさしたようだった。

ある日、母親と祖母が話していた。

「汐織、どうするの?
このままお母さん1人で面倒みるのは
限界があるわ。
働かないなら少しは面倒見なさい。
あんたの子供でしょう」

「はあ?引き取りたいって言ったのは
お母さんでしょ。
私は拓巳も汐織もいらなかった」

2歳の誕生日を前に
当時はわからなかった意味も
いまならわかる。
そもそも『いらない子供』を
勢いで引き取ったのだ。

「汐織さえ産まれなかったら
こんなことにはならなかったのかしら」

幼い頃に聞いた祖母の一言は
いまでも忘れない。

そして遂に、私は養護施設に
入れられることになった。
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