おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
馬車を走らせること数日、ついに一行はエルディール王国とサハール皇国の国境へやってきた。
「エルディール王国皇太子のリンネ殿ですね?お待ちしておりました」
国境を警備していたサハール皇国側の警備兵は馬車の扉をおもむろに開けると懐から短剣を取り出しリンネに切りつけようとした。
「リンネ様、危ない!」
急に何が起きたのかわからなかったメグはとっさにリンネの前へ出ようと手を前に出した。
「あなたは主を守る護身術はまだ身に着けていないようですね。そのように手を出すということは。
大変ご無礼な真似をしてしまい申し訳ございません。メイドの方、お怪我はありませんか?
これは本当に護身術を含めそのようなことに関して無知な人を連れてきたのか確認するよう皇帝陛下に言われておりまして…
この様子を見る限り、大丈夫そうですね。
後先考えずに手を出すメイドと、何もできずに立ちすくんでいる執事ならば」
あまりの仕打ちに怒りを隠せなかったリンネであったが、自分を含め誰も怪我をしていないこと、皇帝と正式に訪問する前に問題を起こしたくなかったことから穏便に済ませようとした。
「皇帝陛下は我々のことを信用してくださらなかったのね。
でも、いざとなったらサハール皇国の警備兵の方が守ってくださるのよね?
私には護衛がいないので」
「皇帝陛下から今回リンネ王女を警護するように仰せつかっている隊がいるので、きっと護衛はつくはずです。
とりあえず、城までは我々が案内を含め警備させていただきます。馬車の周囲を警備兵が数名つくので少し息苦しくなるかと思いますがご容赦ください。
ここから2日で帝都につきますので」
まだ馬車での移動が続くのか、そろそろ馬に乗りたいなと心の中で思っていたが、そんなことを口に出すことは絶対に許されないので、その気持ちをぐっと押し込んでリンネは「よろしくお願いします」と馬車の中から警備兵に挨拶をした。
「エルディール王国皇太子のリンネ殿ですね?お待ちしておりました」
国境を警備していたサハール皇国側の警備兵は馬車の扉をおもむろに開けると懐から短剣を取り出しリンネに切りつけようとした。
「リンネ様、危ない!」
急に何が起きたのかわからなかったメグはとっさにリンネの前へ出ようと手を前に出した。
「あなたは主を守る護身術はまだ身に着けていないようですね。そのように手を出すということは。
大変ご無礼な真似をしてしまい申し訳ございません。メイドの方、お怪我はありませんか?
これは本当に護身術を含めそのようなことに関して無知な人を連れてきたのか確認するよう皇帝陛下に言われておりまして…
この様子を見る限り、大丈夫そうですね。
後先考えずに手を出すメイドと、何もできずに立ちすくんでいる執事ならば」
あまりの仕打ちに怒りを隠せなかったリンネであったが、自分を含め誰も怪我をしていないこと、皇帝と正式に訪問する前に問題を起こしたくなかったことから穏便に済ませようとした。
「皇帝陛下は我々のことを信用してくださらなかったのね。
でも、いざとなったらサハール皇国の警備兵の方が守ってくださるのよね?
私には護衛がいないので」
「皇帝陛下から今回リンネ王女を警護するように仰せつかっている隊がいるので、きっと護衛はつくはずです。
とりあえず、城までは我々が案内を含め警備させていただきます。馬車の周囲を警備兵が数名つくので少し息苦しくなるかと思いますがご容赦ください。
ここから2日で帝都につきますので」
まだ馬車での移動が続くのか、そろそろ馬に乗りたいなと心の中で思っていたが、そんなことを口に出すことは絶対に許されないので、その気持ちをぐっと押し込んでリンネは「よろしくお願いします」と馬車の中から警備兵に挨拶をした。